第5話 素直な感性
T・チリ・・・チリン・・・
「いらっしゃいませ」
「こんにちは」
「珍しいですね」
「うん、仕事が一段落ついたから」
「そうですか、お疲れ様です。何になさいますか?」
「そうだなぁ・・・コーヒー飲めないし・・・」
「フルーツジュースはいかがです?」
「あるの?」
「はい、美味しいフルーツありますよ」
「ねぇ、スムージーって知ってる?」
「スヌージ・・・???」
「違うよ、スムージーっていうの」
「何ですか?」
「あのね・・・」リルケ君、凄くニコニコしてますね
お話聞かせてもらいましょう・・・
「教えて下さい、是非」
「うん!いいよ。あのね、昔ね人間界に行った事があるの」
「ほぅ、それはそれは」
「でね、びっくりした!」
「どうしたんですか?」
「僕の事が見える人間と僕を中に入れる事のできる人間がいたの」
「本当ですか?」
「うん、びっくりしたけどごく稀にいるみたい」
「で、その人達とお友達になったの」
「良かったですね」
「うん、人間の事色々教えてくれたよ。」
「楽しかったですか?」
「うん。人間の食べ物は食べられないからつまらなかったけどね」
「でもね、一度お茶飲みに行った事があるの。
フルーツなら大丈夫っていったのね」
「フルーツジュースですか?」
「それでねスムージーって言うのがあって、頼んでみたの」
U・ スムージーの登場ですね
「どうでした?」
「それがさ・・・」
「???」
どうしたんでしょうね?
「太目のストローが付いてきてね、
それで飲むんだけど・・・ちっともスムーズじゃないんだよ、
スムージーって名前なのに!
ストロー吸っても吸っても口に入ってこないの」
「あら・・・」
スムージーっていう名前なのにスムーズじゃない・・・ですか
「お友達と笑っちゃった」
「楽しかったようですね」
「うん!とっても」
「ねぇ、マスター」
「何ですか?」
「今度スムージー作ってね」
「はい、承知しました。作り方勉強しておきますね」
「ジュースご馳走様!」
リルケ君はとってもご機嫌ですね。
スムーズじゃないスムージーですか、良い感性ですね。
大好きですねこういう感性は。
ところでスムージーってどんな飲み物なんでしょうね?
フルーツを使っているようですが・・・
調べてみましょうね今度作ると約束しましたから。


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