T・チリ・チリン・・チリン・・・ 「いらっしゃいませ」 「こんにちわ!」 「ご機嫌ですね」 「うん!」 「何か良いことでもありましたか?」 「うん!とってもね」 シュン!という音と共に 「久しぶりに良い気分だ」 「それはそれは。お話聞かせていただけますか?」 「ああ、その前に飲み物を」 「失礼しました。何に致しましょう?」 「酒・・・というわけにもいかんからな」 「そうですねぇ、では、カフェロワイヤルでは?」 「お、いいな。頼む」 「はい、かしこまりました」 「嬉しい事聞かせて頂けますか?」 「ああ。わしが時々子供達と遊ぶことは知っているだろう?」 「ええ」 「その子供達の中に気に入った子がいてな、 ある朝、その子が一人で泉の辺にいるのをみつけてな」 「一人でいたんですか?」 「ああ」 「その様子が気になって近づいて声をかけてみたんだ」 「何かあったのですか?」 「少年の話によると赤ん坊が生まれるらしいんだが」 「それはおめでたいですね」 「ところがだ、話を聞くと母親が前日から 苦しんでいるのにまだ生まれないそうだ。 父親や医者の話では二人ともこのままでは 命が危ないかも知れないという話を立ち聞きしてしまって、 思わず家を飛び出したそうだ」 「辛いですね・・・」 |
U・ 「わしは少年に語りかけた・・・ ねぇ、僕の家に代々伝わる占いがあるんだ。試しにやってごらんよ」 「占い?そんなことしても母さんや赤ちゃんは助からないよ」 「試してごらん、とても良く当たる占いで結果は必ずその通りになるんだから・・・ そう言って、占いのやり方を教えて少年に言ったんだ、願いを込めて強く願ってやってごらんってな」 「オーディン様直伝の占いですか」 「占いを始めると少年はわしの言ったとおりに事を進めた。そして・・・ 「母さんと赤ちゃんは助かりますか?母さんと・・・」 少年は手に握り締めた小石を器から上げると手から1つ小石がこぼれて落ちた・・・ ゆっくりと手を開くとそこには 「1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ・・・7つ、ねえ見て!7つ奇数だよ」 ・・・振り返ればそこに占いを教えた金髪の少年はいませんでした。 声が響き・・・「助かるよ、早くお帰り・・・僕はいつも君の側に・・・」 少年は急いで家に帰ると母親と隣で眠る金髪の男の子が少年を迎えました。 めでたし、めでたし・・・というわけじゃ」 「オーディン様?」 「ん?なんじゃ?」 「何かしませんでしたか?」 「んー?なんもしとらんぞ、なーんも」 ソワソワしてますね〜 「良かったですね」 「ああ、子供は宝だからな」 嬉しそうなオーディン様です 「カフェロワイヤルもう一杯くれ、お祝いだブランデー多目でな?」 「はい、かしこまりました」 |
オリジナルショートファンタジーの神々の憂鬱は全てフィクションであり、 神話や伝説の登場人物に基づいた内容ではありませんのでご理解下さい。 |
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