第2話 八つ当たり?
T・チリン・・チリン・・おや、お客様のようです・・・・
「いらっしゃいませ」
手をあげ、挨拶代わりにし無言でこしかけると
「冷たいのくれ・・・」
「アイスコーヒーでよろしいですか?」
「ああ」
「どうかなさいましたか?」
「ちょっとな・・・」
「人間達の住む地上とやらは近頃、地震やら干ばつが多いんだそうだ」
「そういう話は聞きましたね」
「それは災害だろ?」
「そうですね、それがどうかしましたか?」
「それを責任転嫁もいいところだ!!人のせいにしおって!」
「それは、それは」
「俺の祠のある所は、人間達はもはや知るはずもない筈だったんだがな」
「そうですね」
「どうやったのか見つけ出した奴がいてな、どこぞの僧侶のようだったな」
「良く見つけましたね」
「こら、そこは感心する所じゃないぞ」
「失礼しました」
「でな、少々落ち着かない素振りが気になったが知らん顔していたんだ。」
不機嫌そうな顔ですね・・・
「なにやら取り出して呪文を唱えだしおった。
まずいと思って飛び出そうとしたが奴めが一瞬早かった。
村人に話している話を聞いて奴が俺を封じ込めする為にここに来た事が分かったよ」
U・「良く出られましたね?」
「慌てたんだろう、封印がちと弱かった。
暫くして誰も居なくなったんでな壊してでてきた」
「さすがですね」
「俺を封印しようなんて大したもんだ、心意気はな。
俺のせいにして気晴らしにしたんだろ?
天災は怒りのぶつけどころがないからな」
「アイスコーヒーお待たせしました」
「ああ・・・うまいな」
そういってイフリート様は一気に飲み干して
「奴を暫くいい気にさせておくさ、そこに居た幼い少女の顔に免じてな」
そう言うと・・・「もう1杯くれ」
「はい」
「封印が弱くなかったら大変でしたか?」
「ん?俺か?俺に封印など効かんよ。」
「でしょうね」
「なんだ、その、でしょうねってのは?」
「イフリート様を封印するのは不可能だとお聞きしていましたから」
「お?誰から聞いた?」
「内緒です」
「こいつめ」
声高らかに笑い声が店内に響きました
やりどころの無い怒りをイフリート様にぶつける事で
心が少しは癒されるならそれも良いかと考えたようですね
あえて何も言わないイフリート様です
チリン・・チリン・・・おや、お客様の様です



オリジナルショートファンタジーの神々の憂鬱は全てフィクションであり、
神話や伝説の登場人物に基づいた内容ではありませんのでご理解下さい。
この記事の一部及び全文の無断転載・コピーを禁じます